ある程度物件に狙いを定めたら実際に内見に行ってみましょう。といっても内見でどこをどう見たらいいかわからない、という方も多いのではないでしょうか。そこで、この記事では内見時に見るべきポイントをまとめてみました。
※この記事は賃貸物件探しにはGoogleストリートビューを活用しよう!の続きです。
目次
- 部屋の壁や床の長さ・大きさ
- 日当たり
- 収納スペース
- ベランダ・バルコニー
- コンセントの数
- ブレーカーのアンペア数
- 部屋のスイッチはすべて付けてみる
- シャワー、トイレは実際に水を流して勢いを確かめる
- 扉、引き出しはすべて開けてみる
- 排水溝がちゃんと流れるか確認しておく
- 入居前に部屋の各場所の写真を撮っておく
- 不動産屋には物件や地域の悪いところを聞いてみる
- 空き部屋が多い物件は理由を尋ねてみる
- 建物の掲示板や壁の張り紙
- ゴミ置き場
- 壁を叩いてみる
部屋の壁や床の長さ・大きさ
内見の際はメジャーを持っていき、壁や床の長さ・大きさを実際に測りましょう。現在使っている家具を引っ越し先に持っていく想定の場合は、それらの家具のサイズも測っておき、この家具をここに置いたらこのスペースが埋まって、とシミュレーションしてみるのがベストです。
また、それらの家具を配置した場合に生活動線が確保できるかも確認しておきます。
洗濯機のサイズが決まっている場合は洗濯気置き場のサイズも測っておきましょう。
日当たり
日光がきちんと当たる部屋かどうか確認します。
せっかくの南向きの物件でも、周囲に高層ビルや高層マンションがあって日差しが遮られてしまう場合はカビが生えやすいです。
収納スペース
引き出しやクローゼットの類はすべて開けてみましょう。
大きさが十分かどうか、特に奥行きは実際に開けてみないとわかりません。
また、滅多にありませんが、扉を開けただけで落ちてきた、というパターンもあるらしく、入居後にわかると揉める場合があるため、すべての扉を開けて確認しておきましょう。
ベランダ・バルコニー
ベランダは実際に見て確認しておきましょう。
洗濯物を干すのに十分なスペースがあるか、物干し竿の高さは低すぎないか、悪意のある部外者が侵入しようとした時に容易ではないか、といった点をチェックします。
実際に私が住んだことのある物件で、物干し竿の高さが低すぎるあまり、ロングTシャツを干しただけで地面に擦れてしまい、実質干すのが不可能という物件もありました。
コンセントの数
コンセントは最低でも2か所、電化製品を多く使う人であれば3か所はほしいです。
延長コードで伸ばせるとはいえあまり多用するのは危険ですし、反対の壁際までコードを伸ばすとなるとけっこう邪魔になります。
ブレーカーのアンペア数
最近はあまり見かけなくなりましたが、「エアコンを使いながら電子レンジを付けただけでブレーカーが落ちた」というのは賃貸物件あるあるでした。
アンペア数が低すぎると十分な電力を供給できず、こういったことが起こってしまう可能性があります。
どれくらいが適正かは使う電化製品の数や消費電力、部屋の広さなどによって変わってくるのですが、15アンペアとかだとちょっと怖いです。最低20アンペア、できれば30アンペア以上あると安心できます。
今回私が行ってきた内見では、アンペア数は入居後に変えられる、とのことでしたが、物件や地域によっては変えられない場合もあるため、必ずチェックし、不足しそうな場合は変更が可能かどうか、容易かどうかも確認しておきましょう。
部屋のスイッチはすべて付けてみる
物件や不動産屋次第なところはあるかもしれませんが、入居前でも通電チェックなどで少しであれば電気が使えることがあります。
付くかどうかの確認はもちろんですが、稀に妙な設計になっているスイッチがあります。
私が経験したものでは、風呂場の電球と換気扇のスイッチが同一になっていることがありました。
入浴中も熱が流れてしまうため少し肌寒く、入浴後に電球を切ると換気扇も切れてしまうため、換気したければ風呂場のドアを開けて、部屋に湿気が籠らないよう窓も開ける必要があります。
風呂場を閉めたまま通気しようと換気扇を付けておくと電球も付いたままになってしまうため、電球がすぐにダメになってしまいます。
ここまで変なスイッチはあんまりないと思いますが、念のため確認しておいた方が無難です。
シャワー、トイレは実際に水を流して勢いを確かめる
水道はたいてい実際に流してみることができます。シャワーやトイレ、洗面所の水は実際に流してみて勢いを確かめましょう。
いったん屋上に水をくみ上げて上から流すタイプであれば問題ないのですが、そうでないタイプは夜に入居者がいっせいに水道を使用した場合、上の階ほど水の出が悪くなることがあります。俗に言う水道チロチロ問題です。
ちなみに電気、水道は実際に流して確認することができますが、ガスは専門業者でないと開栓できないため試してみることはできません。
お湯をガスで沸かすタイプは温度を確かめられないので不安ですが、こればかりは致し方ありません。
排水溝がちゃんと流れるか確認しておく
水を流してみることができる場合は、排水溝がきちんと流れるかどうかも確認しておきましょう。稀に入居前から水の流れが悪い物件があります。
水が流れない原因が単なる詰まりであれば、変なものが詰まっていない限りはキッチンハイターを買ってくるだけで解決しますが、建物の構造が原因で水が流れない場合はヤバイです。
施工ミスなどにより配管の傾斜が足りていないため水が流れない、とかだと、住んでしまった後ではどうしようもありません。
入居前に部屋の各場所の写真を撮っておく
壁紙に目立つ傷や汚れがあったり、床に小さな穴が開いていたり、扉や引き出しに傷がないかしっかりとチェックし、少しでも気になった場合は入居前や入居後すぐに写真を撮り、不動産屋にも確認しておいてもらいましょう。
私は問題になったことはないのですが、入居前から付いていた傷を入居後に付いたものだと言い張られ、退去時に敷金の返金やクリーニング代の請求で揉めることがあるようです。
不動産屋には物件や地域の悪いところを聞いてみる
内見時に不動産屋に聞いてみることとして、物件や地域の悪いところやデメリットを聞いてみましょう。
不動産屋は営業のプロなので、良いところやおすすめポイントを紹介するのには慣れていますが、「悪いところを教えてくれ」という質問には良いところほど慣れていないはずです。本音に近い意見を聞ける可能性が高いです。
また、悪いところやデメリットが、「世間一般的には避けられるのも理解できるが、自分にとっては重要なポイントではないな」という場合、かなりおいしいです。
例えば
- ユニットバスが気にならない
- 部屋が狭くても(4畳半でも)気にならない
- 駅まで遠くても(出社の機会が少ないので)気にならない
といった条件を飲めるなら、同じエリアの物件と比較して家賃がかなり安くなる可能性があります。
空き部屋が多い物件は理由を尋ねてみる
物件を探していると、同じマンション/アパートの部屋が複数件ヒットすることがあります。
空き部屋が多いということはなにかしらネガティブな理由があることが想像できますが、他の物件と比べて特に不人気な条件が見当たらないのに妙に空室が多い、という場合は不動産屋さんに確認しておきましょう。
例えば次のような理由が考えられます。
- 実はその建物の別部屋が事故物件になった
- 実は近所に工場があってうるさい
- 奇声をあげたり、奇行をはたらく入居者がいる
特に事故物件は、共用部分での事故死でそれが発生から3年経過している場合など、不動産屋は質問されない限りそれを告げる義務がなかったりします。
ただし空室が多い物件すべてにネガティブな理由があるとは限らず、たまたま退去が重なることはもちろん、会社が社宅として使ったいた物件を売り、オーナーになった人が最近賃貸として貸し出し始めたばかり、というケースもあり得ます。
建物の掲示板や壁の張り紙
これはあまり広まってしまうとオーナーや管理会社が張り紙を貼らなくなってしまう懸念があってイヤなのですが…。
建物の掲示板や壁の張り紙には住民へのお知らせや注意喚起が貼ってあります。
例えば
- 騒音に関する苦情が来ています
- ゴミ出しのルールを守らない人がいます
といった注意喚起がなされている場合は、つまりそういうことです。
こうした張り紙での注意は一度や二度問題が起きたからといってすぐに貼られるものではなく、複数回問題になってようやく貼り出されます。
この段階まで行っているのであれば相当やっかいな入居者がいるものだと思ってまず間違いないでしょう。
ゴミ置き場
ゴミ置き場も実際に見て確認しておきましょう。
最近は物件の敷地内にゴミ置き場があるケースが多いですが、ここがきれいに使われているかどうかで、入居者の民度や管理会社の姿勢が見えたりします。
ゴミの日でもないのに大量のゴミが出されている、明らかにゴミ出しのルールに違反したものが捨てられている、という場合は要注意です。
逆にゴミ置き場がきれい、明らかに人の手で掃除されている、という場合は定期的に管理人さんが掃除してくれている物件です。こうした物件は共有部もきれいに保たれやすく、何か問題が起きても対応が早いことが期待できます。
壁を叩いてみる
特にRC造で有効なのですが、内見に行った際は物件の壁を実際に叩いてみましょう。ノックするようにコンコンと叩いて音の響き方をチェックします。
RCマンションの場合、建物の外壁がコンクリートなのは間違いないのですが、各部屋の仕切り壁までコンクリートと使っているとは限りません。
軽く壁を叩いてみて音が軽い、「コーンッ」と響くようであれば遮音性が低い石膏ボードなどの素材を使っています。コンクリートの壁であれば「コッ」と詰まったような音がします。(あとちょっと手が痛いですw)
RC造を選ぶ場合、その理由として大きいのが遮音性だと思いますので、ここはしっかりチェックしておくことをおすすめします。
ただし、これでチェックできるのは両隣の壁だけで、床や天井の厚みをチェックすることはほぼ不可能です。
また、声など空気を伝わる空気音と違い、足音などは個体音といって建物そのものを伝わってくるためまず防げません。ホームセンターなどに売っている防音グッズで防げるのは、まぁまず空気音だけだと思ってください。
例えば上の階に子供がいて、ドタドタ走ったり跳んだりする音が響く、という場合、事前にチェックする方法は平日の夕方18時とかに内見に行って音がしないか確かめるくらいで、入居後に分かったとしても引っ越すくらいしか対処法はありません。