引っ越し先が決まったら、早めに準備を進めておきましょう。準備で一番大変なのがやることをリスト化することですが、このようにあらかじめリストを作っておけば、あとはやるだけなので、疲れて頭が働いていない状態でも少しずつ進めやすいです。
※この記事は賃貸物件の内見時チェックリストの続きです。
目次
- 引っ越し先が決まったらすぐにやること
- 引っ越しの1か月前くらいから徐々にやっておくこと
- 不用品・粗大ごみの処分
- 家電製品の処分
- 荷造り(引っ越しまでに使う予定のないもの)
- 役所での手続き
- 勤務先への住所変更の届出
- ライフラインの停止・開始手続き
- 住所変更が必要なその他サービスの手続き
- 郵便物の転送手配
- 税務署への届け出(個人事業主の場合)
- 引っ越しの1週間前~前日までにやっておくこと
引っ越し先が決まったらすぐにやること
退去日を決定
引っ越し先が決まったらまずは退去日を決定します。ここが決まらないと計画が立てられません。
理想は退去日と引っ越し日を同じにすることですが、移動時間などの関係で日程的に厳しければ、退去日は引っ越し先の近くで宿をとって1泊し、翌日に荷物の搬入や生活環境の整備をするのも一考です。
引っ越し業者の手配
退去日が決まったら引っ越し業者を手配します。当然ですが引っ越しシーズンである2月~3月や連休中は需要が高いぶん値段も高くなりやすいです。
また、引っ越し業者も予約で埋まっていってしまうので、なるべく早め、2カ月前くらいには見積もりを取りたいところです。
引っ越しは基本的に相見積もりを取ります。業者1つだけに相談するのではなく、複数の業者に見積もりを取ってもらい、それぞれの見積もりを元に「ほかの業者はこの値段なんだけど、もうちょっと安くできない?」と交渉します。
引っ越し業者を使わず、自分でレンタカーを使って引っ越す場合は、レンタカー(トラック)のレンタル予約を済ませておきましょう。
引っ越し日が正式に決まったら新居の不動産会社に連絡しておきましょう。
旧居の解約手続き
旧居が賃貸物件の場合は解約手続きが必要になります。いつまでに手続きが必要かは物件によって異なりますが、だいたい1~2カ月前までには解約を伝えておく必要があります。
解約手続きが遅くなってしまうと退去翌月の家賃が発生してしまう必要があるため、早めに連絡を入れましょう。
退去月の家賃は日割り計算になる場合と、退去月分まで支払う必要がある場合があります。入居時の契約書を確認しておきましょう。
旧居で駐車場を契約している場合は、そちらの解約手続きも必要になるため忘れずに。また、新居で駐車場を契約する場合はそちらの契約手続きも必要です。
インターネットの住所変更
旧居で使用しているインターネット回線・プロバイダを継続して使う場合は、移転手続きを行います。
新居の設備が整っておらず工事が必要な場合は時間がかかることもあるので、1か月前には手続きを済ませておきましょう。
モバイルルーターを契約している場合も住所変更手続きが必要となります。
また、固定電話や衛星テレビを契約している方はそちらの手続きも必要です。
転居の挨拶メールの作成
遠方に引っ越す場合、お世話になった方で、これからも付き合いが続きそうな方への挨拶メールを用意しておきましょう。
引っ越し後何カ月も経ってから実は引っ越してました、とわかると心証が悪いというか、「あぁ、自分は連絡されるほどの関係でもなかったんだな」と取られます。
引っ越しの1か月前くらいから徐々にやっておくこと
不用品・粗大ごみの処分
徐々に部屋の不用品の整理を始めていきましょう。特に体積が大きいものは簡単には捨てられなかったり、特別な手続きが必要だったりするので早めに手を付けましょう。
昨今であれば不用品の中で使えそうなものは、ヤフオクやメルカリといったインターネットオークションで売ってしまうのが手続きも比較的簡単で、多少のお金にもなるのでおすすめです。
特に粗大ごみ扱いになるものは自治体や専門業者に依頼が必要なため注意しましょう。
家電製品の処分
家電製品のうち、新居に持っていかないものの処分です。
例えば
- エアコン(自己所有の場合)
- 冷蔵庫
- 洗濯機
- テレビ
といったものは家電リサイクルの対象となっており、粗大ごみとして処分することができません。これらは
- 家電リサイクル受付センターに回収してもらう
- 指定取引場所に直接持っていく
- 購入した家電量販店で処分してもらう
という処分方法になるため、確認から手続き、回収日程の調整や、場合によっては運搬などで時間も労力もかかります。
荷造り(引っ越しまでに使う予定のないもの)
荷造りも早いうちから進めておきましょう。「確実に引っ越し先に持っていくけれど、当分使う予定がないもの」から取り掛かります。
例えば
- シーズンオフの衣類
- たまに見返す書籍
- 来客用の食器
- 記念品やコレクションなど使用用途がないもの
- バーベキューグッズや釣り道具などたまにしか使わないもの
などです。
段ボールに詰めたら「冬服」「本(IT関連)」など、その段ボールに何が入っているのかわかるように油性マジックで書いておきましょう。こうしておけば引っ越し後に段ボールを全部開けて漁らなくても、必要なものから開けていくことができます。
安価なものは、捨ててしまって引っ越し後に改めて買う、というのも1つの手です。1000円で買えるものを1000円の配送料で送っても金銭的にはチャラで、梱包の手間をかけてまで送るメリットがあるかは微妙です。
役所での手続き
引っ越しで住所が変わる場合、役所で「転出届・転入届」の届け出が必要です。引っ越し前に旧住所の管轄役所で「転出届」を出して、引っ越し後に新住所の管轄役所で「転入届」を提出します。
転出届は引っ越しの14日前〜当日までに提出することと定められています。なお、同じ市区町村内での引っ越しの場合は「転出届」ではなく「転居届」を提出します。
転出届を提出すると「転出証明書」が発行されます。これは転入届を提出する際に必要ですので大切に保管しておきましょう。
また、印鑑を登録している場合は印鑑登録の廃止、自営業者の場合は国民健康保険の資格喪失届や、国民年金の住所変更手続きも必要となりますので、まとめて手続きを済ませてしまいましょう。
※現在はマイナンバーカードを持っていれば、引っ越し前の役所で転出届を、引っ越し後の役所でマイナンバーカードを出すだけで他の情報はすべて紐づけて変更することが可能でした。
勤務先への住所変更の届出
会社員の場合は勤務先への住所変更の届出が必要となります。会社によりますが、総務部や人事部などの担当部署に相談しましょう。
税金や健康保険や厚生年金などを会社にやってもらっているためです。
また、会社から交通費や家賃補助をもらっている場合はそれらの手続きも必要となります。
ライフラインの停止・開始手続き
電気・ガス・水道といった生活インフラの停止・開始手続きも必要です。特にガスは開栓・閉栓に立ち合いが必要なケースもあります。
手続きが遅れると引っ越し後も旧居の水道代や電気代が請求されることがあります。
住所変更が必要なその他サービスの手続き
引っ越しで大変なのはこの辺の住所変更手続きです。基本的に使っているサービスすべての住所変更手続きが必要になります。
特に銀行やクレジットカードといったお金に関連するものは重要な書類が届かなかったり、Amazonや楽天といった通販は住所変更をし忘れると、物を買ったとき配送先に旧居を選んでしまったりと困る可能性が高いです。
レンタルサーバーやドメイン管理会社、青色申告ソフトの住所も忘れず変更しておきましょう。
郵便物の転送手配
郵便局で荷物の転送手続きを行っておくと、旧居に届く荷物や郵便を新居に無料で転送してくれます。
これをしておけばもしも住所変更を忘れていたとしても、1年間は荷物や郵便を新居に転送してくれるため、トラブルが起こりにくいです。
また、転送された荷物や郵便は「転送」みたいなハンコが押されて送られてくるので、住所変更を忘れていたことに気付くきっかけにもなります。
税務署への届け出(個人事業主の場合)
法改正が行われ、2023年からは個人事業主が引っ越しても、引っ越し前の税務署に手続きをする必要はなくなりました。
これまでは引っ越し前の税務署に
- 個人事業の開業・廃業届出書(管轄税務署の変更有無に関わらず)
- 所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する届出書(管轄税務署の変更がある場合)
を提出する必要がありました。(引っ越しがめっちゃ面倒だった)
2023年1月1日以降は異動・変更後の納税地を次回の「所得税又は消費税の申告書」に記載するだけでよく、引っ越し前税務署への届出は不要になりました。
引っ越しの1週間前~前日までにやっておくこと
荷造り(ギリギリまで使用するもの)
引っ越しの1週間前くらいになったら最終準備を徐々に進めていきます。家具や家電なども荷造りしていくため、このあたりから少し生活が不便になることは覚悟しておきましょう。
ベッドや本棚といった大きめの家具を解体して梱包したり、フライパンやお鍋といったキッチン用品、オンシーズンの衣類、お風呂用品、化粧品などを、引っ越しまで最低限の生活ができる分だけ残して徐々に梱包していきます。
例えば衣類にしてもすべて詰め込んでしまうわけにはいきませんが(着る服がなくなってしまう)、今日着る服の選択肢が減る程度の不便さは仕方がありません。
食品の整理
冷蔵庫の中身はもちろん、乾麺や非常食の類も計画的に消費していきましょう。食品まで持っていこうとするとかさばるので、なるべく食べてしまって物量を減らすのがいいでしょう。
特にめんつゆなどの液体は万一輸送中に漏れたりすると大変なので、使いきれなかった分はもったいないですが捨ててしまうのがおすすめです。
引っ越し前の1~2日くらいはコンビニ弁当や外食で済ますのもいいでしょう。
挨拶用の手土産を用意
新居で挨拶回りをする際、地物のお土産を持っていきたいとこだわる場合は手土産を用意しておくのもいいでしょう。一戸建ての場合は両隣、アパートやマンションの場合は上下階と両隣に挨拶をするのが一般的です。
ただ、引っ越し当日の荷物を増やすのは私は好みません。よほどしっかりご近所付き合いをするつもりがないなら、引っ越し後に近くのデパートで探すとか、なんならスーパーで日用品を買って行くとかでもいいと思います。
近年、特に単身者が賃貸に住む場合は挨拶回りをしないこともよくあります。特に10代20代の若い女性の場合、「この部屋に若い女性が住んでいる」と知られてしまうこと自体が少しリスクなので、防犯上の理由から挨拶回りをしないこともあります。
パソコンのデータをバックアップ
パソコンのデータは必ずバックアップを取っておきましょう。引っ越し業者やパソコン宅急便では基本的にハードウェア自体の保証は付いていますが、中のデータまでは保証しようがありません。
万一流出しても問題ないデータは普段からなるべくクラウドに置いておき、機密情報だけを定期的にUSBメモリなどにバックアップしておくと、引っ越した時だけでなく、パソコンを買い替えたときもデータの移行が少なくて済みます。
引っ越し当日のタイムテーブル作成
引っ越し当日は時間がない上に体力も使うので頭の働きも悪くなり、何も準備していないとテキパキ動くのが難しいです。
あらかじめタイムテーブルを作成しておき、何時からなにをやるのか、ざっくりでいいので決めておきましょう。
もちろん予定は必ず狂うので、余裕をもったスケジュールを組んでおき、何かトラブルがあった際(例えば引っ越しのトラックが事故を起こしてしまい荷物が届かなくなった場合)、どうするかも想定しておきましょう。
たとえば寝袋だけは自分で持っていけば、当日荷物が届かなくてもとりあえず寝ることはできますし、近所のホテルや漫画喫茶の位置を確認しておけばとりあえず当日をしのげます。
冷蔵庫と洗濯機の水抜き
引っ越しの1~2日前には冷蔵庫と洗濯機の「水抜き」を行います。
冷蔵庫はコンセントを抜いて半日くらい置いておくと結露で濡れた状態になりますので、水気を拭き取ります。
洗濯機は蛇口を閉めて、給水・排水ホースを抜いて取り外します。その際に周りに飛んだ水を拭き取ります。
旧居の掃除やごみの最終処分
引っ越し当日に荷物をすべて搬出した後にも掃除はするのですが、あらかじめできそうなところから掃除をしておきましょう。
入居者には原状回復義務といって、部屋を入居前の状態に回復させる義務があります。あまり汚いままにしておくと敷金が返ってきません。不動産屋や大家も人間ですので、しっかりと掃除されているのとそうでないのでは心証も異なります。
ごみは自治体のルールに従って捨てる必要があるため、捨てたいときに捨てられるとは限りません。あらかじめゴミ出しのルールを確認して、ごみ出しをしていい日に捨てられるよう計画を立てて進めましょう。