私がビットコインとその他暗号通貨について私が仕組み的に理解していることをまとめました。
暗号通貨の話は経済・金融・ITすべての知識が必要になるうえ本格的に考えるとなると政治の知識も必要になります。当然私も100%理解できているとは言い難いし、というか100%理解したと言い切れる人がこの世界にどれだけいるのだろうって話なのでその前提でお読みいただけると幸いです。
暗号通貨とブロックチェーンの仕組み全般についての話ではあるのですが、主に当時ビットコインについて調べたことがメインなのでビットコインの話が主軸になります。(他の暗号通貨も全く同じ仕組みとは限らない)
目次
ブロックチェーンを利用した暗号通貨とは
ビットコイン出がけの頃に調べたのだけど、簡単に言えば預金データを銀行のような特定の機関が預かるのではなく、個々に通帳を持って保管する仕組み。
この違いは改ざんなどで預金データにズレが生じた時、どちらのデータを正しいものとするのか、という局面で影響してくる。
従来の銀行的な仕組みの場合、個人の通帳と銀行のデータがズレていた場合、銀行側のデータを正しいものとして扱う。
それに対しビットコインでは中央機関が存在しないため、データがズレていた場合、個々人の通帳の中で最も多いもの(厳密には長いもの)を正しいデータとして扱う。
ビットコインのリスク
ということは例えば極端に人口の多い国がマイニングしまくり、過半数の通帳(というかデータ変更履歴の長さ)を手中にしたうえで、国ぐるみでデータの改ざんを行った場合、改ざん後のデータが正しいことになってしまう。
これが私が理解する限りのビットコインの仕組み上の欠陥というか脆弱性である。(ビットコインがそうなのであって、他の暗号通貨も同じなのかどうかは知らない)
そしてビットコイン登場以降、某人口がすごく多い国がビットコインをマイニングしまくって現状に至っている。
他の仮想通貨が同じかはわからないけれど、ビットコインはこの仕組みゆえのリスクを抱えている。(10年くらい調べてないけど仕組みについては根本的な部分みなので変えられないと思っている。)
※知人に指摘して頂いたのですが、現在、中国からマイナーは撤退して北米に引っ越しているようです。とはいえ「独裁的かつ人口が多い国がビットコインの履歴をコントロールしうる」というのはビットコインの仕組み上どうしようもない部分です。
暗号通貨の本質的価値
もう1点別軸であるのが本質的価値。
ビットコインは採掘できる量が決まっているので希少価値は担保されているが、あくまでデータ(要は素数の組み合わせ)なのでそれそのものに使用価値はない。
これは貴金属として工業的、美術的、歴史的などの使用価値を持つ金との最大の相違点である。
現在の信用通貨(円とかドルとかユーロとか)が通貨としての価値を持つのはそれが通貨として使用されているからというニワトリタマゴであり、ビットコインなどの仮想通貨が通貨足りえるのかどうかは、実は人類がそれを通貨として受け入れるかどうかにかかっている。
政治的な問題
ここで政治的な問題にぶつかる。
つまり中央集権されていない通貨というのは国家から見れば非常に把握しにくいため税を徴収しにくいだけでなく、通貨発行量を調整することで景気の調整を行う経済政策が機能しにくくなる危険をはらんでいる。
実際、自国通貨を持たないEUは先の経済危機において、自国で自由に通貨を発行できないことが原因で十分な経済対策を取れないという問題に直面した。
景気の悪い国は量的緩和をしたいし、景気の良い国は緩和させたくない。
為替にも影響があった。ギリシャがいかに危機だろうとユーロ圏に属している限り使用される通貨はユーロであり、ユーロという通貨への信頼がギリシャほど揺らいでいない以上、ギリシャから見れば自国が通貨高な状態となる。
これは観光を主産業とするギリシャからすれば痛手である。
また、2010年頃~2020年頃、景気の絶頂にあった中国は米国にどれだけ圧をかけられても固定相場制を維持し、それどころか通貨価値を切り下げ続けた。こういった為替操作も自国通貨だからこそできるわけだ。
こういった問題があるため国家としてはビットコインなどの暗号通貨を認めたくない。
しかし暗号通貨は人々の間で普及しない限り、通貨としての本質的な価値を持つことができない。
取引所の問題
仮に暗号通貨そのものが安全だったとしても、その取引所も安全とは限らない。
実際ビットコインもそれ自体が問題になった事件は未だ発生していなくて、いずれも取引所がやらかした事件だったと記憶している。
総括
こういった事情から、私は自分でお金を出してビットコインを買ったことはないし、当面現金をビットコインに交換するつもりはありません。
話が難しすぎるため私も100%理解しているとは言い難いです。(経済・金融・ITすべてにおいて深い知識と理解が必要)
ただ、私も超長期的(100年とか)には中央集権でない、暗号通貨的なものが取って代わるだろうと思っています。
理由はコストが安いから。
ただ政治的な問題から時間がかかるだろうというのと、少なくともビットコインは「独裁的かつ人口が多い強国が履歴を改ざんしうる」というのは現在の仕組み上どうしようもない部分だと思います。
つまり、いずれは暗号通貨的なものが現在の貨幣に取って代わるだろうけれど、それがビットコインとは限らないし、ブロックチェーンよりもっといい仕組みが今後登場するかもしれない。というのが現在の私の見解です。