自作パソコンのパーツ選びにおける注意点

自作パソコンのパーツ選びにおける注意点

自作パソコンを組み立てる際は個々のパーツを選んでそれらを組み合わせますが、選ぶべきパーツを間違ってしまうと思ったようなスペックが得られなかったり、最悪の場合起動しないという事態に陥りかねません。そんな事態を避けるために必ずチェックしておくべき注意点をパーツごとにまとめました。

パーツ購入前に漏れている点がないか最終チェックしたいという方は、黄色の線を引いた部分を順番に確認していけばいいようになっています。

目次

PCケース

パソコンパーツを取り付ける筐体です。サイズは大きく分けてフルタワー、ミドルタワー、ミニタワーの3種類あり、マザーボードや光学ドライブはケースのサイズに合ったものを選びます。大きいほどたくさんのパーツを取り付けることができます(=拡張性が高い)が、その分物理的にスペースを取ることになります。

マザーボード

他のパソコンパーツを取り付けるための基盤です。大きさがATXとMicroATXの2種類あり、ATXがフルタワー、ミドルタワー用、MicroATXがミニタワー用となっています。基本的にサイズの大きいATXの方がより多くのパーツを取り付けることができます。

CPUソケットやメモリースロット、SATAやUSBの規格が自分が取り付けようとしているパーツに適合しているか、またその物理的な数は足りているかを必ず確認しておきましょう。これらの規格については各パーツの項目で詳しく説明します。

CPU

CPUはパソコンの脳みそともいえるパーツです。必ずマザーボードのCPUソケットの規格と合ったものにしなければいけません

規格にはLGA1156やLGA1151といったものがありますが、CPUソケットの規格が合っているからといって必ずしもマザーボードがそのCPUに対応しているとは限りません。(私は一度これが原因で組み立てたパソコンが起動しませんでした)

マザーボードがそのCPUに対応しているかどうかはマザーボードの箱やメーカーサイトで調べることができます。

メモリ

メモリはデータやプログラムを記憶する装置です。人間でいうところの短期記憶とでもいうべきでしょうか。プログラムの起動・動作速度に関わってくるパーツです。デスクトップパソコン用とノートパソコン用のサイズがありますが、自作パソコンではデスクトップパソコン用のものを選びます。

メモリの規格にはDDR3やDDR4といったものがありますが現在ではほとんどがDDR4でしょう。また、DDR4の中でもDDR4-2666(PC4-21300)、DDR4-2400(PC4-19200)、DDR4-2133(PC4-17000)などの規格があるため必ずマザーボードと規格の合ったものにして下さい

まれに規格があっていてもマザーボードとの相性が悪く、動作が安定しないということもあるようです。パソコンショップで相性保証をつけてくれることもあるので、念を入れるならパソコンショップで直接購入したほうが良いでしょう。

またメモリはOSとの兼ね合いもあり、32bitOSでは4GBまでのメモリしか認識できないためせっかく容量の大きいメモリを購入しても無駄になってしまいます。8GBや16GBなどのメモリを使用したい場合は64bitOSを選びましょう。

ハードディスクまたはSSD

ハードディスク(HDD)とSSDはプログラムやデータを保管しておくための記憶装置(ストレージ)です。

データの読み書きが速い、低消費電力、物理的な可動部分がないため静音で摩擦・摩耗による故障がないなどの理由から現在はSSDが主流となりつつありますが、ハードディスクほど大容量化されていないためシステムドライブにSSDを使用し、データドライブにハードディスクを使用する方法もあります。

SSD

SSDは2.5インチのものが主流ですが、中には1.8インチのものもあります。自作パソコンでは3.5インチベイに取り付けることになりますので、2.5→3.5インチ変換マウンタが付属していない場合は別途購入しておきましょう。

インターフェースはSATAⅢやSATA6Gがあり、マザーボードと合ったものを選びます。現在はほとんどのものがSATAⅢに対応しています。

また最近ではM2.SSDという新しい規格も登場しており、こちらはメモリのようにマザーボードに直接取り付けることができます。

ハードディスク

ハードディスクのサイズは3.5インチ、2.5インチ、1.8インチがあります。自作パソコンでは3.5インチのものを選びましょう。

インターフェースはSATAが主流で、その中でも転送速度によってSATAⅢやSATA6Gなどに分かれています。こちらもマザーボードと合ったものを選びますが、現在はSATA6Gが大半を占めます。

電源ユニット

電源ユニットは各部に電気を供給するパソコンの心臓部分です。サイズにはATX電源とMicroATX電源がありますが、ATX電源はミニタワーも含めたほとんどのPCケースに対応しているため基本的にはこちらを選びます。

電源ユニットで注意する点は物によって電源ケーブルの本数が異なることでしょう。取り付ける予定のパーツによってSATAケーブルの本数などが足りなくならないようチェックしておきましょう。

OS

2019年現在OSを選択するとなるとWindows10一択となるでしょう。Windows7はサポート終了が2020年1月と差し迫っており、Windows8と10は7と8ほど大きな使い勝手の変化がなかったためWindows10以外は置いてない店も少なくないでしょう。

また、Windows10自体もリリース当初と比べて随分バグが減って安定しています。OSで気を付けるべき点は32bit版か64bit版かということです。32bit版では4GBを超える容量のメモリを認識することができません。

Windows10は従来のWindowsと同様「Home」と「Pro」の2つのエディションが存在します。名前の通り「Pro」の方が価格・機能とも上位で、パソコンを別の場所から操作する「リモートデスクトップ機能」や仮想マシンでパソコンを起動する「Hyper-V」などの機能が追加されています。

つまるところ特殊な機能を求めるかどうかなので「リモートとか仮想マシンとか言われてもワカラナイヨー」という方は「Home」を選んでおいて問題ないでしょう。

ちなみに例外的な方法としてLinuxというオープンソースで提供されているOSを使えばOS代がタダで済みますが、Linuxを扱うにはそのための知識が必要です。

光学ドライブ

従来はwindowsやデバイスドライバーをインストールするために必要でしたが、現在はUSBメモリなどを使ってインストール用のメディアを作成する方法もあります。

といってもその場合はPCがもう1台必要になるため、普段光学ドライブをほとんど使わないという方は外付けのものを購入してWindowsのインストールを済ませてしまうのも一つの手です。

大きさと規格は5インチSATAが主流です。内蔵型は大きさを間違えると物理的にPCケースに入らなくなるので必ず確認しておきましょう。

モニター

モニターによってパソコンに接続できなかったり重大な問題が発生することはまずありません。一応入力端子にはVGA、DVI、HDMIなどの種類がありますが現在ほとんどのモニターがこのすべてに対応しています。

購入する際はスピーカーが内蔵されているかどうか、画面の大きさは適切かどうかなどを確認しておきましょう。

キーボード・マウス

これらは基本的に必ず必要になるものですが、この記事で詳細に取り扱うべきことではないので説明は割愛します。

グラフィックボード(ビデオカード)

グラフィックボードは自作パソコンを組み立てる際必ずしも必要になるものではありません。画面出力・動画再生の処理を行うパーツですが、グラフィックボードのないパソコンでは、マザーボードのオンボードグラフィックやCPU内蔵のグラフィック機能で行っています。

グラフィックボードが必要になるかどうかは3Dオンラインゲームや動画の編集・エンコードなど高度な画像、動画再生の処理を行う用途での使用があるかないかで判断します。

グラフィックボードの規格はPCI-E 2.0やPCI-E 3.0といったものがありますが、互換性があるためPCI-E 2.0のグラフィックボードを PCI-E 3.0のマザーボードに取り付けたり、PCI-E 3.0のグラフィックボードをPCI-E 2.0に取り付けても動作します。

ただしPCI-E 3.0の方が転送速度は速いため、PCI-E 3.0のグラフィックボードをPCI-E 3.0に取り付けて初めてPCI-E 3.0の転送速度が発揮されます。

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自作パソコンのパーツ選びにおける注意点」への4件のフィードバック

  1. 大村

    こちらの情報は大変参考になりました。大好きなGIGABYTEのマザーボードを買って自作PCを構築するのに役立ちました。ありがとうございます。

    返信
    1. 管理人 投稿作成者

      大村様

      コメント頂きありがとうございます。
      お役に立ったようで何よりです。

      返信

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